【プロなら必見!】産業用 単相パワコン定格出力合計49.5kwの主幹(メイン)ブレーカーの容量について

太陽光遠隔監視装置ひだまりeyesを取り付けているとひだまりeyesから発電停止メールが来たけどどうしてだろうという連絡がちょくちょく入ります。そこでよくあるのが主幹ブレーカーがダウン(トリップ)してしまうことによる、ひだまりeyesを含める太陽光発電設備システム全体の停止です。

その場合、よくよくシステムの構成をお聞きすると単相5.5kwパワコン9台(主にオムロン、山洋、デルタ)あるいは単相9.9kwパワコン5台(主に田淵)の定格出力49.5kwの主幹ブレーカーで主幹ブレーカーの容量が250Aになっているのです。

結論から先に行ってしまうと、250Aのブレーカーではダウンしてしまいます。ここは300Aの主幹ブレーカーを付ける必要があります。

以下に根拠を書きます。

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300Aブレーカー選定の根拠

電流I[A]  = 発電電力P[W] / 電圧E[V]

上記公式で49.5KWの設備を計算しますと

I=49.5×1000 / 200 =247.5[A]

安全率10%を加味しますと

250×1.1=275Aとなります。

定格電流275Aのブレーカーは私の知ったメーカーでは作っていないようですので直近上位の300Aブレーカーを選定しています。

理論上は247.5Aしか電流が流れないので250Aで十分であるように思えますが気温が高いときには集電箱内の温度も上昇しますし、晴れていて発電電力が多くなれば電線およびブレーカーに流れる電流も増加し発熱も増加します、ブレーカーのメーカー(弊社がいつも使うのは日東工業)では基準周囲温度40℃で設計してあります。
40℃で設計してあるブレーカーの周囲温度が仮に50℃にもなりますと定格電流の90パーセントを少し超えたくらいで遮断動作してしまいます。

49.5KWの設備で250Aのブレーカーを使用し、集電箱内の温度が50℃になったと仮定しますとおおよそ225Aをちょっと超えたあたりでブレーカーが遮断する動作をしてしまうと考えられます、先ほどの計算で電流247.5A流れると出ましたから遮断動作も充分起こり得ます、よって250Aのブレーカーでは能力不足であると判断できます。

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ここからは空想の話になりますが、周囲温度40℃で連系電圧が電圧抑制ぎりぎりのU-O間、W-O管107Vまで上がった状態で電流を計算しますとU-W間の電圧が倍の214Vですので

I=49.5×1000 / 214 =231A

となりますので250Aブレーカーでも少し条件が良くなるのかな?と思います。

現実にはまず無いと思いますが、仮にの話で系統側の電圧がとても低く95Vくらいしかなかった場合で計算しますと

I=49.5×1000 / 190 =260A

となります、瞬間的には動作しませんが周囲温度40℃だったら30分くらいで動作するかも・・・

冬場の気温が低く、そして系統電圧が高い日がブレーカーにとっては優しい環境なのかもしれません。

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以上ここまで。

おそらく、普通の監視装置を開発しているメーカーでは上記根拠を回答出来ないと思います。

私は太陽光監視装置装置ひだまりeyesを開発した開発総責任者で有り、且つ現場で産業用太陽光発電設備を企画・設計・販売・工事・アフターメンテナンスまでしている現場を知り尽くしたプロです。また私以外に電験3種(第三種電気主任技術者)の資格を持っている外部スタッフKさん、天才プログラマーOさん、データベースのプロフェッショナルKさんという強力なスタッフでバックアップ体制を敷いています。

そういった意味でも弊社の監視装置を使って頂いている人には私たちが経験から知り得た情報を全てご提供していきたいと思います。

私たちが目指した物はただの発電量監視装置ではありません。可能な限りメンテナンス装置たり得る監視装置です。

産業用太陽光発電設備が運転を開始してまだ4年ちょっと、これから年数が経てば経つほどいま現在では想像できないようなトラブル等が起きる可能性は十分有ります。監視装置を通していろいろなトラブル事例が入ってきても、果たしてその現象を他の監視装置メーカーは理解できるのでしょうか?

私たちの監視装置”ひだまりeyes”の価値を理解してくださっているお客様にはこれからも期待以上の価値を提供していきたいと思います。

まだまだ、進化し続けます。

 

 


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武井 理

武井 理

ひだまりeyes開発者。FIT開始時から産業用太陽光の設計・施工・販売をすべて手がける。当時から理想の監視装置を探すが、いい物がなくて絶望。ならば自分自身が理想の監視装置を作ろうと一切の妥協を排して理想の監視装置を開発。現場の最前線を知る、太陽光発電のプロフェッショナル。