安川電機10kwパワコンPV1000 エラー表示oH1( 放熱フィン加熱)対処方法 【前半】

2017年6月19日快晴の日の午後1時に僕のiphoneにアラートメールが飛んできました。

以下メール内容

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お客様:有限会社タケイ電器
発電所:茄子川発電所
パワコンID:23
にて異常(警報)が発生しています。

※なお、このメールはシステムより自動配信されています。
返信は受付できませんので、ご了承ください。

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ここまで。

上記のように 「異常(警報)が発生しています。」 というメッセージはパワコン本体からRS485通信を経由してエラー情報を取得したときに発報されるメールです。

販売店管理画面を見ると以下のように表示されていました。

画面は6/19日にタケイ電器の茄子川発電所で23番パワコンが12時45分54秒にエラーが発生したことを表しています。

現場は弊社の近くなのですが、色々仕事片付けて(お客さま優先)2時半過ぎに現場に到着しました。パワコン配置図があるのでピンポイントでどのパワコンかは一目瞭然でわかります。

パワコンの扉を開けてみると液晶部にはoH1 ホウネツフィン カネツ の表示(写真取り忘れた自分に全力で自己嫌悪・・・)でした。

リセットボタンを押して発電が復活しました。

とここまでで終われば、普通のブログ。

私は太陽光発電のプロです。施工的にも監視装置の見地からもプロ中のプロです。

原因を探ります。

1 そもそも oH1 ホウネツフィン カネツ とは何のエラーなのか?エラーの意図することは何か?

2 そのエラーはどういう理由で起きるのか?

3 なぜ 24台パワコンがあるうちの1台だけなったのか?

4 oh1のエラーが起きなくなるようにする今後の対策は?

をしっかり理論的に理解しないと今後の対応ができません。また、社内共有することで誰でも簡単に対応出来るようになります。

それでは一つづつ説明していきます。

1 【エラー表示oH1 ホウネツフィン カネツとは?】

パワコン内部は非常に高温になるので放熱フィンがあります。そこが高温になることで起きるエラーです。

2 【そのエラーはどういう理由で起きるのか?】

エラー判定される条件を正確に申しますと

① 放熱フィン加熱が加熱するとOHエラーとなり、発電はしているが出力低下する。

→②それでも加熱し続けるとOH1になる。OH1になったらリトライを10回繰り返す(5秒10回)

→③それでも温度が下がらないと異常確定して止まる。

※OH1エラーはパワコン内部温度が90度で発生いたします。

3 【なぜ 24台パワコンがあるうちの一台だけなったのか?】

問題はここですよね。なぜ、同じ場所にある一台だけが高温になったのか?同じ場所にあるのでなるなら他のすべてがなってもいいはずです。内部の温度センサーがこのパワコンだけ敏感だったのでしょうか?

結論から申し上げますと、このパワコンにはファンが付いており、風の流れがあります。その風の流れで冷却しているのですが、風が滞ったことでパワコン内部が高温になり、エラーとなりました。

4 【今後の対策は】

ここが一番大切です。今回はたまたま高温になった後駆けつけたのが2時間後でリセットして、その場では発電を開始しました。90度から冷めて低くなっていたのです。しかしそれだけでは問題の解決になりません。温度が上昇した根本的な原因(風の流れが滞った抜本的な問題)を取り除かないと再び起きます。

長くなったので解決策は次のブログで。

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武井 理

武井 理

ひだまりeyes開発者。FIT開始時から産業用太陽光の設計・施工・販売をすべて手がける。当時から理想の監視装置を探すが、いい物がなくて絶望。ならば自分自身が理想の監視装置を作ろうと一切の妥協を排して理想の監視装置を開発。現場の最前線を知る、太陽光発電のプロフェッショナル。