【結構重要】パワコンの種類によって累積発電量の計測単位が違います。

監視装置を開発する上でパワコンメーカー毎の違いは結構頭を悩ませる問題です。

通信規格が統一されていれば問題なのですが、各メーカー仕様がバラバラです。なので開発側はそれぞれに合わせた言葉(プロトコル)で開発する必要があります。

その中で特に悩ましい問題が、発電量の計測単位の問題です。あるメーカーはw単位で累積発電量が記憶されるのですが、あるパワコンはkw単位で記憶されます。たいした問題ではないように思われますが、実は1000倍の開きがあって、これが大きく影響を与えるときがきます。

以下にパワコン毎の累積発電量の計測単位を示します。

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1w単位 オムロン CTセンサーバージョン 田淵単相 ダイヤモンド電機

10w単位 安川 山洋 SMA デルタ単相 デルタ三相 ファーウェイ

1000w単位 田淵三相 新電元

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1w単位のものの方が精度が高い、より細かく発電量を把握できます。

尚、これはパワコンの仕様でひだまりeyes側ではどうすることも出来ません。

ひだまりeyesは最小2分単位で計測できるのですが、1w単位で計測できるパワコンは下記のようなグラフになります。

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CTの場合は結構きっちり2分間隔で取れるので綺麗なグラフになりやすいです。ちなみにオムロンの場合はこちらになります。

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オムロンの場合9台あったり、パワコンとの通信に時間が掛かるのでどうしても00秒をまたぐことがあり、完璧な放物線を描きにくいです。

ただ、だいたいのイメージはつかめますね。

尚、時間単位のグラフは以下のようになります。
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時間単位になれば先ほどのぎざぎざした部分は収束されます。

これがkwで累積発電量が増えるパワコン(田淵三相や新電元など)は以下のようになります。

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うまく伝わらないかもですが、基本的に1kwh増える毎に棒線が出るというイメージです。増えるか増えないか。オンとオフみたいな関係ですね。

逆に言うと1kw(1000w)増えるまではカウントされません。しかし、時間単位で見ると以下のように綺麗に収束されます。

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ひだまりeyesは分単位のデータは10日間しかデータを保存しないので、10日以降経過したデータを閲覧する事に関してはどのパワコンも同じになります。

一つ問題になるのは、いま現在(今日)の発電量が低いときに、問題になります。

どう問題になるかというと、アラートメールが発信されやすくなると言うことがあります。

なぜかといいますと、ひだまりeyesがアラートメールを発信する条件として、

1:パワコン自身がエラーを出した場合

2:ひだまりeyesは午後12時から午後1時の一時間の間に発電量が増えなかった場合、難しい言葉で言うとパワコンが記憶している累積発電量の差分が0だった場合

のどちらかを満たした場合にエラーを発信します。

なぜ、2:の条件を付けているかといいますと、パワコン自身がエラーを出さない場合でも使用者が気がつけるように2重の監視対策をしているからです。

kw単位でカウントするパワコンは12時から13時までに1kw増えない場合(可能性としては最大0.999kw)、サーバー側で発電量が増えていないと考えてエラーメールを出します。(ちなみにw単位のパワコンは0.001kw増えればエラーが出ません。)

ただし、お客さまが発電量が少ないのかなと推測できるように以下の文面にしてあります。

お客さまに届くエラーメッセージはこちら

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ひだまりeyesのサーバーが正午から午後1時までの1時間、発電量が増えていない事を感知いたしました。

—-【種別4】————————————————————————–
お客様:○○ ○様
発電所:▲▲▲発電所02
ユニットID:01
ユニットID:02
ユニットID:03
ユニットID:05
の発電量が0kwhです。(故障の可能性もありますが、雪・雨の可能性もあります。)

※【種別1】
原因は大雨・大雪・主幹ブレーカーダウン・ひだまりeyes通信不可が考えられます。
※【種別2】
原因は大雨・大雪・子ブレーカーダウン・パワコン通信不良・パワコン故障が考えられます。
(ひだまりeyes自身は通信できています。)
※【種別3】
原因は大雨・大雪・主幹ブレーカーダウン等が考えられます。
(ひだまりeyes自身は通信できています。)
※【種別4】
原因は大雨・大雪・子ブレーカーダウン・パワコン通信不良・パワコン故障が考えられます。
(ひだまりeyes自身は通信できています。)

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お客さまの発電所は【種別4】に該当します。

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※なお、このメールはシステムより自動配信されています。

返信は受付できませんので、ご了承ください。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ここまで。

一番上にある【種別○】、あるいは文末の■で囲まれた【種別○】を見て下さい。種別が2から4までの場合は、ひだまりeyesの故障ではありませんので安心下さい。天気が悪いなって思ったときは雪の可能性や雨で発電量が少ない(1時間に1kwh以下)かなということも考慮に入れて欲しいです。

確認のため、パワコン毎発電量の数値に合わせて該当パワコンが最新の時間で認識されていればほぼ正常だと推測できます。

上記を頭に入れておけば、エラーが出ても慌てなくてすみます。

ちなみにw単位のパワコンの場合は1wでも発電すればアラートメールは発報されないので上記エラーが出る可能性はグッと減ります。

そういうパワコンの特性を見極めて、ひだまりeyesとお付き合い下さい。

【このブログのまとめ】

・パワコンによって計測単位が違う(最大1000倍の密度の差)

・これはパワコンの仕様でどうすることも出来ない。

・時間単位で見れば問題にならない。

・田淵三相・新電元のパワコンは分単位のグラフは綺麗に出ない。

・雪や大雨などの時に田淵三相や新電元はエラーが出やすい。

 

 

 

 

 

 


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武井 理

武井 理

ひだまりeyes開発者。FIT開始時から産業用太陽光の設計・施工・販売をすべて手がける。当時から理想の監視装置を探すが、いい物がなくて絶望。ならば自分自身が理想の監視装置を作ろうと一切の妥協を排して理想の監視装置を開発。現場の最前線を知る、太陽光発電のプロフェッショナル。